第105回 看護師国家試験 午後 問49 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(80歳、男性)は、脳梗塞の治療のために入院した。Aさんは多弁であり「めがねをとってください」のことを「めとねをとってください」などと話す様子が観察される。Aさんの症状で正しいのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 言おうとした語の音が別の音に置き換わる言い誤りは錯語である。

錯語は、言おうとした語が別の音や別の語に置き換わってしまう言い誤りである。 「めがね」が「めとね」のように音だけ入れ替わるものを音韻性錯語、「めがね」が「とけい」のように別の語に置き換わるものを語性錯語という。

Aさんは多弁で、話す量そのものは保たれている。言葉は出るのに中身が入れ替わるという形なので、錯語にあたる。

他の3つは形が違う。感情失禁は感情の抑えがきかない状態、喚語困難は言いたい語が出てこない状態、運動性失語は話す量そのものが減る状態である。

  • 1

    錯語正解

    言おうとした語の音や語が入れ替わる言い誤りで、「めがね」が「めとね」になるのはその典型である。

  • 2

    感情失禁不正解

    感情失禁は、わずかなきっかけで泣いたり笑ったりが止められなくなる状態で、脳血管障害のあとによくみられる。言葉そのものの誤りとは別の症状である。

  • 3

    喚語困難不正解

    喚語困難は、言いたい語が出てこず「あれ」「それ」が増える状態。語が出たうえで入れ替わる錯語とは、つまずく場所が違う。

  • 4

    運動性失語不正解

    運動性失語(ブローカ失語)は、理解は比較的保たれるのに、話す量が減ってたどたどしくなる。多弁なAさんの話し方とは合わない。

📚 国試でよく狙われるところ

失語は、話し方と理解のよしあしを入れ替えて問われる。「流暢に話せるか」と「言われたことが分かるか」の2つの軸で見分けよう。

主な失語の型と特徴
型話し方理解
運動性失語(ブローカ失語)たどたどしく、量が少ない比較的保たれる
感覚性失語(ウェルニッケ失語)よく話すが錯語が多い障害される
健忘失語流暢だが、語が出てこない保たれる

参考: 医療情報科学研究所編『病気がみえる 脳・神経』/標準的な脳神経内科学(失語の分類)

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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