第105回 看護師国家試験 午前 問69 解説
📝 問題
動脈硬化を直視して評価できる血管はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 動脈硬化を直接目で見て評価できるのは眼底動脈である。
眼底動脈(網膜の動脈)は、体のなかで唯一、器械を通して直接目で見られる血管である。瞳孔から光を入れて眼底検査を行うと、動脈が細くなっていないか、動脈と静脈が交わる部分がどう見えるか(動静脈交叉現象)から、動脈硬化の程度が分かる。高血圧や糖尿病の管理でも行われる検査である。
残りは体の奥にあり、目で直接見ることはできない。冠動脈・大腿動脈・腹部大動脈・中大脳動脈は、超音波や造影検査、CT・MRIといった画像で評価する。
動静脈交叉現象とは
網膜で動脈と静脈が交わるところに現れる変化。動脈硬化で硬くなった動脈が静脈を押しつぶし、静脈が細く見えたり途切れて見えたりする。
- 1
冠動脈不正解
冠動脈は心臓の表面を走る血管で、冠動脈造影やCTで評価する。
- 2
眼底動脈正解
眼底動脈は眼底鏡で直接観察でき、動脈の細まりや動静脈交叉現象から動脈硬化の程度が分かる。
- 3
大腿動脈不正解
大腿動脈は皮膚の上から拍動を触れられるが、血管そのものは超音波や造影検査で調べる。
- 4
腹部大動脈不正解
腹部大動脈は、腹部超音波やCTで径の広がりや壁の状態をみる。
- 5
中大脳動脈不正解
中大脳動脈は、MRIによる血管撮影や脳血管造影で評価する。
📚 ここも一緒におさえておこう
眼底の所見は、高血圧・糖尿病・頭蓋内圧の3方向から問われる。どの病気で何が見えるかを対にして覚えよう。
- 高血圧では動脈が細くなり、動静脈交叉現象が現れる。進むと出血や白斑がみられる
- 糖尿病網膜症は毛細血管瘤や点状出血から始まり、進むと新生血管ができて硝子体出血を起こす
- 頭蓋内圧が高くなると視神経乳頭がむくむ(うっ血乳頭)
参考: 標準的な成人看護学(動脈硬化の評価)/標準的な眼科学(眼底検査)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について