第105回 看護師国家試験 午前 問38 解説
📝 問題
患者の状態と看護師のコミュニケーションの方法との組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 認知症のある患者には、患者のペースに合わせて話す。
認知症では、話を聞き取り、意味をとらえ、言葉を選んで返すまでに時間がかかる。 急かしたり言い直しを求めたりすると混乱が強まるので、患者のペースに合わせて短く・ゆっくり伝えるのが基本である。
他の3つは、障害の中身と合っていない。 構音障害は言葉を音にする動きの障害で、理解は保たれている。 聴力障害では、口元と表情が見えるように正面から声をかける。 失語では、言い間違いを訂正するより、伝わった内容を受けとめるほうが会話が続く。
失語とは
脳の言葉をあつかう部分が傷ついて、話す・聞く・読む・書くがうまくできなくなる状態。口や舌を動かす力そのものは保たれている。
- 1
構音障害 ── 発音を促す不正解
構音障害は、舌や口唇の動きがうまくいかずに発音がゆがむ状態で、言葉の理解は保たれている。発音を促すより、聞き取れた内容を確かめたり、筆談や文字盤を使ったりする。
- 2
聴力障害 ── 後方から声をかける不正解
逆。聴力障害のある人には、口の動きと表情が見えるように正面から近づいて声をかける。
- 3
認知症 ── 患者のペースに合わせて話す正解
認知症では理解と返答に時間がかかるため、急かさず患者のペースに合わせて短く話す。
- 4
失語 ── 言葉の誤りを繰り返し訂正する不正解
訂正を繰り返されると自信を失って話さなくなる。うなずきや絵、身ぶりを使い、伝わった内容を返すほうが会話が続く。
📚 混同しやすいので注意
失語と構音障害は、どちらも「うまく話せない」ので入れ替えて問われる。障害されているのが言葉そのものか、口の動きかで見分けよう。
- 失語=大脳の言語をつかさどる部分の障害。話す・聞く・読む・書くのすべてが障害されうる
- 構音障害=舌・口唇・声帯などの運動の障害。言いたい言葉は分かっているのに発音がゆがむ
- 運動性失語(ブローカ失語)は話しにくいが理解はよく、感覚性失語(ウェルニッケ失語)は流暢に話すが理解が悪い
参考: 系統看護学講座 基礎看護技術/系統看護学講座 老年看護学
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について