第103回 看護師国家試験 午後 問119 解説
📝 問題
次の文を読み118〜120の問いに答えよ。午前6時30分、A県立病院の看護師は勤務中に突然、立っていられないほどの大きな揺れを感じた。病院の電源は自家発電に切り替わりA県北部を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生したと院内放送があった。 多くの傷病者が病院に運ばれてきた。医師の指示により看護師がトリアージを行った。 誤っているのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ トリアージでは血圧を測らず、脈が触れるかどうかで循環をみる。
多数の傷病者が同時に運ばれてくる場面では、限られた人手で治療の優先順位を決めなければならない。最初に行う一次トリアージ(START法(スタート))は、器具を使わず短時間で判定できる項目だけで進める。
見るのは、歩けるか、呼吸をしているか、脈が触れるか、簡単な指示に従えるかの4点。 血圧計を当てて数値を測ると時間がかかるため、循環は橈骨動脈が触れるかどうかで判断する。
残る3つは、いずれもSTART法で実際に確認する項目である。
START法とは
多数の傷病者を器具を使わずにふるい分ける一次トリアージの手順。歩行・呼吸・循環・意識の順にみる。
- 1
歩行できているか確認する。不正解
歩けるかどうかはSTART法の最初の判定で、自力で歩ける人は保留群(緑)とする。
- 2
呼吸をしているか確認する。不正解
呼吸の有無と回数を確認する。呼吸がなければ気道を確保し、それでも戻らなければ死亡群(黒)、毎分9回以下または30回以上なら最優先治療群(赤)とする。
- 3
血圧を測定する。正解
血圧計を使った測定はトリアージでは行わない。循環は橈骨動脈が触れるか、爪を押して色が戻るまでの時間(毛細血管再充満時間)でみる。
- 4
従命反応をみる。不正解
「手を握ってください」などの簡単な指示に従えるかで意識をみる。従えなければ最優先治療群(赤)とする。
📚 国試でよく狙われるところ
トリアージは区分の名前・色・意味を入れ替えて問われる。緊急度の高い順に赤・黄・緑・黒と並べ、色と区分名を対にして覚えよう。
| 区分 | 色 | 状態 |
|---|---|---|
| Ⅰ 最優先治療群 | 赤 | 生命の危険があり、ただちに処置をすれば救える |
| Ⅱ 待機的治療群 | 黄 | 生命の危険はすぐにはないが、治療が必要 |
| Ⅲ 保留群 | 緑 | 歩ける軽症で、治療を待てる |
| 0 死亡群 | 黒 | 死亡、または救命が極めて困難 |
参考: 標準的な災害看護学(START法によるトリアージ)/厚生労働省「災害医療」(トリアージ区分)
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について