第103回 看護師国家試験 午後 問104 解説
📝 問題
次の文を読み103〜105の問いに答えよ。A君(8歳、男児)は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に病院を受診した。1か月前に扁桃炎に罹患した以外は既往歴に特記すべきことはない。扁桃炎は抗菌薬を内服し軽快した。血液検査の結果、溶連菌感染後急性糸球体腎炎と診断されて入院した。入院時、A君は体温36.8℃、呼吸数20/分、脈拍は80/分、整で血圧132/80mmHgであった。 入院3日目。両眼瞼の浮腫、肉眼的血尿は続いていた。看護師がバイタルサインを測定していると、A君は「頭が痛い。気持ち悪い」と訴えた。A君は体温36.8℃、呼吸数20/分、脈拍88/分、血圧142/86mmHgであった。 この状況からA君に起こりうる症状で注意するのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 血圧の上昇に頭痛と悪心が重なっており、高血圧性脳症による意識障害に注意する。
血圧が入院時の132/80 mmHgから142/86 mmHgへ上がり、そこへ頭痛と悪心が加わった。この組み合わせは高血圧性脳症の始まりを示す。 血圧が急に上がると脳の血管から水がしみ出し、脳がむくむ。頭痛・悪心の次に現れるのが意識障害とけいれんなので、呼びかけへの反応を続けて見て、変化があればすぐ報告する。
他の3つは、いまの経過から出てくる症状ではない。 耳痛と鼻閉は耳や鼻の炎症で起こるもので、腎炎の血圧上昇とは結びつかない。 視野が欠ける症状も、高血圧性脳症でまず現れるものではない。
- 1
耳痛不正解
耳痛は中耳炎など耳の炎症で起こる。今回の血圧上昇と頭痛からはつながらない。
- 2
鼻閉不正解
鼻閉はかぜや副鼻腔炎の症状である。腎炎の経過で注意する症状ではない。
- 3
視野欠損不正解
視野が欠けるのは、脳の限られた部分が障害されたときなどに起こる。高血圧性脳症では視力がかすむことはあるが、まず注意するのは意識の変化である。
- 4
意識障害正解
頭痛と悪心に血圧上昇が重なるのは高血圧性脳症の始まりである。進むとけいれんや意識障害に至るので、意識の状態を見続ける。
📚 ここも一緒におさえておこう
急性糸球体腎炎の合併症は3つある。血圧・呼吸・尿量のどこに現れるかで見分けよう。
- 高血圧性脳症=頭痛・悪心から始まり、けいれん・意識障害へ進む。血圧を下げる治療を急ぐ
- 急性心不全=水分がたまって呼吸困難・咳・頸静脈の怒張が出る
- 急性腎不全=尿量が減り、高カリウム血症や尿毒症を起こす
参考: 標準的な小児看護学(急性糸球体腎炎の合併症)
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について