第103回 看護師国家試験 午前 問104 解説
📝 問題
次の文を読み103〜105の問いに答えよ。Aちゃん(1歳0か月、女児)は、つかまり立ちをしようとしてテーブルの上に手をかけたところ、熱い味噌汁の入ったお椀をひっくり返して前胸部と右前腕に熱傷を負ったため母親とともに救急外来を受診した。来院時、Aちゃんは、体温36.8℃、呼吸数36/分、心拍数120/分、血圧90/60mmHgであり、機嫌が悪く泣いている。Aちゃんは、創部の処置と経過観察のため入院した。処置室で点滴静脈内注射と創部の処置を医師1人と看護師2人で行うことになった。看護師がAちゃんの母親に同席するよう促すと「かわいそうで見ていられるか不安です」と話した。 母親のつらさを受け止めた後の対応で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 処置に付き添う母親には、そばにいることが子どもの支えになると伝える。
1歳の子どもにとって、痛みを伴う処置のあいだ母親がそばにいることは、いちばん強い安心のもとになる。母親には、そばにいること自体が子どもの力になると具体的に伝える。
母親は「見ていられるか不安です」と話しており、同席を義務として求めるものではない。手を握る、名前を呼ぶといったできる役割を一緒に決めると、母親も引き受けやすくなる。
残る3つは、母親のつらさを比べたり義務として求めたりしていて、受け止めたことにならない。
- 1
「Aちゃんがかわいそうですよ」不正解
母親を責める言葉になり、罪悪感を強める。処置の場に立ち会うのをためらうのは自然な反応である。
- 2
「Aちゃんはもっとつらいですよ」不正解
つらさを比べて母親の気持ちを退けている。どちらがつらいかを競わせる場面ではない。
- 3
「Aちゃんが頑張る姿を見届けるべきですよ」不正解
「べき」と義務を課しており、つらさを受け止めたことにならない。付き添うかどうかは母親が選べるようにする。
- 4
「Aちゃんにとってお母さんが支えになりますよ」正解
母親の存在が子どもの安心につながることを伝えている。役割が分かると、母親は同席を引き受けやすくなる。
📚 ここも一緒におさえておこう
子どもの処置に家族が付き添う場面は、「誰が何の役割を担うか」で問われる。押さえる役と支える役を分けて覚えよう。
- 子どもを押さえる役割は看護師が担い、家族には手を握る・声をかけるなど安心させる役割を任せる
- 付き添うかどうかは家族の選択にゆだね、断っても責めない
- 処置の前に、何をするか・どのくらいかかるかを年齢に合った言葉で伝えることをプレパレーションという
参考: 小児の処置における家族の付き添いに関する標準的看護/プレパレーションの考え方
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について